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ダーウィンの日記1832年9月15日 [ダーウィンの日記(II)]


この"ダーウィンの日記(II)"では、C.ダーウィンの日記のうち、ダーウィンが南米大陸大西洋岸のバイア・ブランカに滞在している1832年9月15日から1834年12月31日までの分を読みます。
後に"ダーウィンの日記(III)"で、南米太平洋岸各地から太平洋、インド洋、そしてさらに大西洋を通って英国に帰るビーグル号による航海の最後までを、日を追って順に読んでゆきます。ダーウィンの日記のこれ以前の部分、すなわち前書き、および1831年10月24日から1832年9月14日までの各々の日付は、アーカイヴ的な扱いとして次のリンク先を両端としてその間にまとめてあります..

http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/1831--12-16_0 (日記冒頭前書き)
http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/ (1832年9月14日分)


cdarwin.jpg

ダーウィンの日記(バイア・ブランカ)

[日記仮訳]

(1832年9月)15日[英国を出発してから263日後]

私たちの狩りのためにスペイン人たちが雇われた。彼等のことをある時からインディアンだと私たちは思っていた。彼等は海岸の近くに多くの場合野宿しているのだ。
彼等の小旅行に私が伴って行くために1頭ウマを私に貸してくれることを彼等が申し出たので、私はよろこんで受けた。一隊は9人の男と1人の女からなっていて、その男たちの多くは純粋にインディアンであった。他の者はどうなのかよくわからない。でも全員はその風貌や衣服において同じようにだいぶ野性的である。女性の方はというと、彼女はまったく得体が知れない。男のように服を着てウマに乗る。食事の時まで彼女が女だとは思わなかった。

狩をする人は全てを2または3個の球が皮の紐にくくり付けられた物で捕える。進み方においては、彼等は一種の三日月形を形づくり各人は1/4マイル[463m]以下の距離だけ離れる。一人が少し先を行き動物を他の人々の方へ駆るように努め、このようにしてそれを囲い込むのである。そのとてもすばらしい事例をひとつ見た。立派なダチョウが逃げようとしていたのだが、ガウチョたちはそれを容赦ない速度で追跡しつつ各人がボールをその頭の上で回転させ、先頭がついにそれらを投げた途端、そのダチョウはくるくると転がった。その脚はまさしく両方が紐によってともに縛り上げられていたのである。その必死の苦闘はかなり荒々しいものであった。

その後、男たちは輪をなしてその中央部へテンジクネズミを駆るのであった。彼等はただ1頭を捕まえただけが、彼等の乗馬はとても優れたものであり、特に彼等が向きを変える時のその速さと正確さというものがそうだ。そのような荒い動きでウマはすぐ疲れるのでしばしばそれを取り替えることが必要で、隊に常に一緒にいる群れから新しいウマを補給するのである。
一年のこの時期[南半球で冬から春]ダチョウの卵は彼等にとって主な価値ある獲物である。この日1日で彼等は64個を見つけたのだが、そのうち44個は2つの巣から、他はひとつとかふたつというように散在していたものであった。
彼等はまた数多くのアルマディロを捕まえる。昼には彼等は火を焚きそれからいくつかの卵やあるいはアルマディロを彼等の固い甲の中で蒸し焼きにしたのであった。彼等は水、塩そしてパンのいずれをも持たない。後2者については何週間も彼等は口にしないのでそれで彼等はどこに住もうがほとんど違いがないということになる。

カタツムリのように彼等のすべての財産は彼等の背中にあり、彼等の食料はその周りにあるというわけだ。火の周りにすわっている時、私の半ば野生の主人役の人たちの浅黒いが表情豊かな顔つきを見ているのはとても興味深い。女性はふざけながら実際は気取りがあった。彼女は私の銃に驚いたふりをして、"no est cargado[sic;(西) 弾は入ってないの]"と叫んだ。
私たちは夕方海岸に帰ったが、そこで卵とアルマディロとの[昼の食事の時と]同じ情景となり、私は船に乗った。私の足はとても疲れた。あぶみがとても小さくて靴がなくても2つの足の第1指[注]を入れておくことが困難だったのだ。ガウチョたちは常にこれをむき出しにして他の3つの指から離しておくのである。
[注]親指の次の指。

[天候]1832年9月15日正午の天候(ビーグル号):
南西の風、風力4、雲、全天曇り、気温摂氏12.2度、水温摂氏11.7度。

[地図]バイア・ブランカ(小縮尺)..

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[参考映像]ガウチョ..


[日記原文]
15th
The Spaniards, whom we some time since thought were Indians, have been employed hunting for us & have generally bivouacced near the coast. — They offered to lend me a horse to accompany them in one of their excursions; of this I gladly accepted. — The party consisted of 9 men & one woman; the greater number of the former were pure Indians, the others most ambiguous; but all alike were most wild in their appearance & attire. — As for the woman, she was a perfect non descript; she dressed & rode like a man, & till dinner I did not guess she was otherwise. — The hunters catch everything with the two or three balls fastened to the thongs of leather; the manner of proceeding is to form themselves into a sort of crescent, each man less than a quarter of a mile apart; one goes some way ahead & endeavours to drive the animals towards the others & thus in a manner encircling them. — I saw one most beautiful chace; a fine Ostrich tried to escape; the Gauchos pursued it at a reckless pace, each man whirling the balls round his head; the foremost at last threw them, in an instant the Ostrich rolled over & over, its legs being fairly lashed together by the thong. — Its dying struggles were most violent. — The men then formed a ring & drove to the centre several cavies; they only killed one; but their riding was most excellent, especially in the quickness & precision with which they turn. — The horses are soon fatigued from such violent exercise & it is necessary often to change them & pick out fresh ones from the herd which always accompanies a party. — At this time of year, the eggs of the ostrich is their chief prize. — In this one day they found 64, out of which 44 were in two nests; the rest scattered about by ones or twos. — They also catch great numbers of Armadilloes. — In the middle of the day they lighted a fire & soon roasted some eggs & some Armadilloes in their hard cases: — They had neither water, salt or bread; of the two latter for weeks together they never taste; so that it makes little difference to them where they live. —

Like to snails, all their property is on their backs & their food around them. — It was very interesting to watch, whilst seated round the fire, to watch the swarthy but expressive countenances of my half-savage hosts. The creature of a woman flirted & actually was affected; she pretended to be frightened of my gun & screamed out "no est cargado"? We returned to the beach in the evening, where the same scene of eggs & Armadilloes occurred again and I went on board. — My feet were a good deal tired, the stirrups being so small that even without shoes I had difficulty in getting in the two first toes. — The Gauchos always have these uncovered & separate from the other three. —

["ダーウィンの日記(II)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典] "Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

ダーウィンの日記のうち1832年9月14日までの分はすでに訳し終えていて、下記の私のブログに順次アップ中です..
http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/

nice!(17)  コメント(11) 
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コメント 11

momo

移転一号です^^
不具合、大変でしたね。
by momo (2008-08-29 16:13) 

ねこじゃらん

こんにちは。不具合があるのですか・・・。
(ほんとだ、以前のページ、nice!ボタン等現れませんね)
ソネブロ事務局、頼りないけど(苦笑)、問い合わせてみて下さい。(>_<)
早く直るといいですね。
by ねこじゃらん (2008-08-29 16:36) 

アヨアン・イゴカー

ガウチョの映像も興味深く拝見しました。二百年以上も変わらぬ生活をしているのですね。人間の本来の生活の一つがあるような気がしました。
by アヨアン・イゴカー (2008-08-30 01:03) 

春分

記事が2つしかなくなっていて驚きました。どうやら少し見逃しましたね。
by 春分 (2008-08-30 07:11) 

さとふみ

>どうやら少し見逃しましたね。
それほど多くの内容は含まれていない部分だと思います。いずれにしても、冒頭部から1832年9月14日までの分については何らかの対策を講じたいと考えています。
by さとふみ (2008-08-30 07:20) 

kaoru

おはようございます。
不具合で大変ですね。
早く直ってくれるといいですね。
アイコン変えられたのですね。
今回のも素敵で良いですね。
by kaoru (2008-08-30 09:55) 

さとふみ

>不具合で大変ですね。
万一の場合は、ソースを保存してあるのですこしずつ復元しようかと思っています。
by さとふみ (2008-08-30 13:48) 

めぎ

あ、移転なさったのですね。
めぎも、データ量が満杯になってきたのでどうしようかと思っているのですが、今までのいろんな累積数が無くなるのは勿体ないから今の本ブログのまま行きたいという気持ちがあって、古い記事だけソースを移転して過去ログを作ろうかと思ったり、でも前記事を本ブログで消すとやっぱりnice数などが消えちゃうのかな、と思ったり、いろんな考えがぐるぐるしてます。
by めぎ (2008-08-30 15:25) 

SAKANAKANE

アルマディロを食用にすると言うのを、初めて知りました。
毎日はお伺いできていないので、読めていない記事がいくつも有ると思います。復旧したら、まとめ読みさせて頂こうと思っています。
by SAKANAKANE (2008-08-31 17:46) 

kimiko

前のは不具合になっているんですか。。
このごろ、なんだか重たいですよね~?
プロフアイコンも爽やかですね!^^

by kimiko (2008-09-02 07:43) 

さとふみ

kimikoさん..
これからもよろしくお願いします。
by さとふみ (2008-09-02 07:57) 

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