SSブログ

ダーウィンの日記1833年5月19日 [ダーウィンの日記(II)]

11372771.jpg

ダーウィンの日記(マルドナド; 北方ポランコ川流域への小旅行)

[注釈] この北方ポランコ川流域への小旅行の終わり近く、ダーウィンはマルドナドの近くの小さな山に登ります。

[日記仮訳]

日曜日 (1833年5月)19日

朝早く、シエラ・デ・ラス・アニマス[注]に登るために起きた。これとパン・デ・アスカルはプラタ河を航行するときの有名な地形目標である。その高さは大体8~900フィート[244m~274m]だと推測する。情景は昇る太陽の助けもありとてもきれいに見えた。頂上からはかなり広範な眺望があり、西には極めて平らな土地がモンテビデオのマウント[*注]まで、また東の方には、マルドナドの小さな乳頭を並べたような起伏のある平原まで拡がっているのが見渡せた。
[注] 現在 "Cerro de las Animas(セロ・デ・ラス・アニマス)" とも呼ばれている山。海抜501m。下の画像と地図を参照。
[*注] モンテビデオはマルドナドの西方62海里ほどの所にある。ダーウィンの言っている"マウント"とはモンテビデオ市街地から湾をはさんで西の対岸にある丘。スペイン語では"El Cerro"と呼ばれている。


頂上にはいくつもの石の小さな積み上げがあった。それは明らかに長い年月そこにあったものだ。私に同行した者はこの場所の住人だが、これは昔のインディアンたちの作ったものだと断言した。小さな規模ではあるが、それらはウェールズの山によくある石積みと同じようであった。全ての土地での、人の一番高いところに登ったということを示す欲求のいかに普遍的であることか。

夕刻、再び、ドン・フラン・ピミエントの家で、過度のもてなしにあずかり苦しんだのであった。そして翌朝、マルドナドに向けて出発した。

[画像] この日ダーウィンが登った山(シエラ・デ・ラス・アニマス; セロ・デ・ラス・アニマス)..
1074410.jpg
画像出典: http://www.panoramio.com/photo/1074410

[地図]シエラ・デ・ラス・アニマス(セロ・デ・ラス・アニマス)の位置..

View Larger Map

[日記原文]
Sunday 19th
I got up early to ascend the Sierra de las Animas. — This & Pan de Azucar are well known land-marks in navigating the Plata; I should guess their height to be about 8 or 900 feet. — The scenery, by the aid of the rising sun almost looked pretty. — From the top there was a very extensive view. — to the West over a very flat country to the Mount at M. Video, & to the East over the mamillated[sic] plains of Maldonado. —
On the summit there were several small heaps of stones; which evidently had been there for many years, — my companion, an inhabitant of the place, declared it was work of the Indians in the old times. — They were like, although on a smaller scale, the heaps so common in the Welsh Mountains: How universal is the desire of Man to show he has ascended the highest points in every country. — In the evening I again partook & suffered from the overpowering hospitality in the house of Don Fran Pimiento: & the next morning started for Maldonado.

cdarwin_s.jpg

["ダーウィンの日記(II)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記の1832年9月15日以降の記事です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

ダーウィンの日記の1831年10月24日から1832年9月14日までの分はアーカイヴ的に"ダーウィンの日記(I)"として次のところにおいてあります..
http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/ (トップページ;すなわち1832年9月14日分)
http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/1831--12-16_0 (冒頭部;前書き)

タグ:登高
nice!(23)  コメント(4) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 23

コメント 4

yamagatn

今日もう応援クリックさせていただきますね^^
by yamagatn (2008-11-13 21:05) 

さとふみ

yamagatnさん..
どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
by さとふみ (2008-11-14 09:34) 

春分

きれいな姿の山ですね。
by 春分 (2008-11-29 13:48) 

さとふみ

春分さん..
しばらくご足跡が見えず、寂しかったです..
by さとふみ (2008-11-29 14:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。