ダーウィンの日記1832年9月16日から18日 [ダーウィンの日記(II)]
C.ダーウィンの日記のうち、ダーウィンが南米大陸大西洋岸のバイア・ブランカに滞在している1832年9月なかばからの部分を順次読んでゆきます。
ダーウィンの日記(バイア・ブランカ)
[日記仮訳]
日曜日(1832年9月)16日
新鮮な食料を得るために狩りに出た一隊が2頭のシカと3頭のテンジクネズミおよび1羽のダチョウを持ち帰った。また、網でとても素晴らしい数の魚が捕えられた。1回曵くだけで1タン[注]を超えた漁獲があり、10の相異なった種を含んでいた。
[注]タンは古い単位で953.9リットル。ダーウィンはこれを重量単位であるトンの意味で使っている可能性もあります。
17日、18日
この2日間は私が岸辺または底をさらって採った様々の水棲動物のことに費やしていた。
今日食事で食べたものは英国ではとても奇妙に聞こえるだろう。ダチョウの団子とアルマディロである。前者は鳥とは全く気付かずむしろ牛肉と思うだろう。アルマディロをガウチョ式でなくその甲を取り除いて料理したものは、味も見かけもカモにいっそう似ている。両方ともとても美味しい。
[地図]ビーグル号が停泊していた地点("Wells—Anchorstock Hill")の位置..
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[画像]アルゼンチンにいるアルマディロ pichi (Zaedyus pichiy)..
出典(クリックするとそちらのページに飛びこのページを離れます): Instituto Nacional de Tecnología Agropecuaria
[日記原文]
Sunday 16th
The party who went out to shoot fresh provisions brought home 2 deer, 3 Cavies & an ostrich. — With the net also, a most wonderful number of fish were caught; in one drag more than a tun weight were hauled up; — including ten distinct species. —
17th, 18th
Have been employed during these two days with various marine animals which I procured from the beach & by dredging. —
What we had for dinner to day would sound very odd in England. — Ostrich dumpling & Armadilloes; the former would never be recognised as a bird but rather as beef. — The armadilloes when unlike to the Gauchos' fashion, cooked without their cases, taste & look more like a duck. — Both of them are very good. —
["ダーウィンの日記(II)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典] "Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.
ダーウィンの日記のうち1832年9月14日までの分はすでに訳し終えていて、下記の私のブログに順次アップ中です..
http://saltyfumi.blog.so-net.ne.jp/
アルマジロはとてもおいしいと読んだことがあります。だから甲羅が必要なのでしょうね。ダチョウ?アフリカじゃないですしね。何でしょう。
タンという単位ははじめて知り、面白く思いました。
by 春分 (2008-08-30 07:16)
1) ダーウィンが南米で"ダチョウ"と書く時はレアのことを意味しています。
2) ダーウィンが"タン"(容量の単位)という時は明らかに"トン"(重量の単位)のことであろうと思われる場合が多いです。
by さとふみ (2008-08-30 07:24)